- 文化人類学と似たような学問はどんなのがあるの?
- それぞれの違いは何?
今回はそのような方に向けて、文化人類学と民俗学、社会学、民族学、社会人類学の違いを全部解説していきます!
自分に合った学問を選ぶきっかけになれば幸いです!
そもそも「文化人類学って何を学ぶの?」「面白い?」「向いている人は?」「就活やビジネスで役立つの?」など文化人類学を学ぼうか悩んでいる方には以下の記事がおすすめです!
【一覧で解説】文化人類学と民俗学、社会学、民族学、社会人類学の違い
はじめに、文化人類学と似たような学問をわかりやすく一覧にしました!
ポイントは、どの学問も「人」について研究していることです。
それぞれの指標の意味は次の通りになります。
- マクロ – 日本社会全体など、より広い視点から人について研究している
- ミクロ – カフェの場、コミュニティなどより狭い視点から人について研究している
- 自文化 – 自分が生まれ育った文化/社会について研究(日本出身なら日本について)
- 異文化 – 自分が生まれ育った文化/社会以外について研究(日本出身ならアメリカやアフリカについて)
これらを踏まえた上で各学問をまとめると次の通りになります。
- 社会学(マクロ×自文化) – より広い視点から自文化について研究する学問(例:日本社会)
- 民俗学(ミクロ×自文化) – より狭い視点から自分化について研究する学問(例:日本〇〇町の文化)
- 文化人類学・社会人類学・民族学(ミクロ×異文化) – より狭い視点から異文化について研究する学問(例:タンザニアのマサイ族の文化)
ここからは文化人類学との違いをそれぞれ詳しくみていきましょう!
文化人類学と社会学の違い
1つ目に文化人類学と社会学の違いについて詳しくみると以下となります。
文化人類学 | 社会学 | |
研究テーマ | 人とは何か | 社会の秩序はいかにして可能か |
手法 | 定性・質的調査(フィールドワークやインタビュー) | 定性+定量・量的調査(アンケートや統計) |
個人的に文化人類学と社会学は似たようなことをしているため両方学ぶことをおすすめしますが、特に以下の記事の内容に興味を持った方は社会学がおすすめです。
例えば受験や就活など生きていたら当たり前のように訪れるイベントですが、「そもそもなんで受験や就活をするようになったんだろう?」と一歩引いた視点を社会学を勉強すると持てるようになります。
一方文化人類学は、知らない文化を知りたい!といったニュアンスが強いイメージです。
社会学について理解を深めたい場合は以下の本が入門書としておすすめです!
文化人類学と民俗学の違い
2つ目に文化人類学と民俗学の違いについて詳しくみると以下となります。
文化人類学 | 民俗学 | |
研究対象 | 異文化がメイン | 自文化がメイン |
手法 | 定性・質的調査(フィールドワークやインタビュー) | 同じ |
ただ文化人類学も日本について研究しますし、文化人類学と民俗学は似たところが多いのが現状です。
一方で、文化人類学と民俗学が出発点に違いがあります。
Q: 調査対象が人間の生活であるところやフィールドワークを中心にすえているところが、素人目には文化人類学と似ているような気もします。
A: たしかに、やっていることだけを見ると似ているかもしれません。ただ、文化人類学のほうは、もとはといえば、イギリスやフランス、アメリカなどの強大国が、植民地主義を背景に、非ヨーロッパ圏の人びとの文化を調べることから始まった学問。一方、民俗学のほうは、啓蒙主義や覇権主義に対抗する文脈の中で、自分たちやその周囲の文化に着目して始まったわけです。
http://hotozero.com/knowledge/kwanseigakuin_vernacular/
ちなみに、最近民俗学はヴァーナキュラー学とも言われ、音楽やゲームなど現代的な話題も取り入れており話題性のある学問になってきています!
私も民俗学は田舎の昔話を研究するイメージがあったのですが、ヴァーナキュラー学に出会いイメージが変わりました!
ちなみに大学時代ヴァーナキュラー学を教えている大学教授に出会い、面白すぎて都会と地方の学生を対象に「タピオカ」についてミニ調査した記憶があります(笑)
最新の民俗学について理解を深めたい場合は以下の本がおすすめです!
ここまで文化人類学と民俗学について色々話して来ましたが…
個人的には、ざっくり「日本の文化研究=民俗学、海外の文化研究=文化人類学」で最初は考えていいと感じています。
文化人類学と社会人類学、民族学の違い
3つ目に文化人類学と社会人類学、民族学の違いについてですが…
結論 – どれも同じ意味合い
とだけ覚えておけば大丈夫です!
少し補足すると…
- 文化人類学 – 主にアメリカの方で使われる言葉
- 社会人類学 – 主にイギリスの方で使われる言葉(意味は文化人類学と同じ)
- 民族学 – 昔よく使われていた言葉。最近は文化人類学・社会人類学と言われることの方が多い
さいごに
いかがでしたでしょうか?
以下のマップの意味がイメージでき、自分に合った学問を選ぶきっかけになれば幸いです!
さいごに、文化人類学についてもっと知りたい!そんな方に向けて他にも文化人類学の記事を沢山書いておりますので是非一緒に見てください!!