今回はそのような方に向けて学部時代文化人類学が大好きだった私が当時知りたかった情報を全てまとめました!
興味のある部分でも読んでいただければ幸いです♪
- ブログを書いた人の文化人類学歴↓
そもそも私が学部時代にどれだけ文化人類学が好きだったか箇条書きで紹介させて頂きます。
- 高校時代ルース・ベネディクトの菊と刀を読んで文化人類学にハマる
- 大学入学初日で文化人類学の学部研究会に入る
- 大学2年の時に無理言って3年生の文化人類学ゼミに入らせてもらう
- その後1年間ノルウェーの社会人類学部に1年間交換留学(主に応用人類学について学ぶ。もちろん現地の研究会にも所属)
- 帰国後海外大学院で応用人類学専攻を志したが、最終的には応用人類学に関連する企業をみつけ就職
- 卒業後も飽きずに文化人類学の本を読みあさっている(最近は筑波大学や東北大学の文化人類学オタクとの交流多め)
文化人類学とはどんな学問?何を学ぶ?フィールドワークとは?
初めに文化人類学について概要をお伝えします!
(ちょっと文化人類学を知っている方は「写真がマサイなんてステレオタイプな…」とツッコミを入れたくなると思いますが…)
文化人類学とはどんな学問?わかりやすく簡単に紹介!
そもそも文化人類学とはどのような学問なのでしょうか?
文化人類学者の池田氏は以下のように定義しています。
文化人類学とは?
- 文化という言葉と概念がこの学問を理解するキーワードだ。
- 人間について経験的(かつ実証的)に調べる学問らしい。
- 人間の生活や営み(way of life)についての学問らしい。
ちなみに文化人類学についてインターネットで学びたい場合は池田氏のサイトが充実しておりおすすめです!
文化人類学は何を学ぶの?簡単に紹介
では文化人類学は何を学ぶのでしょうか?
Who,What,Howの観点から簡単に紹介していきます。
- Who(誰を対象にしているの?) – 世界中の人々
- What(何を対象にしているの?) – 日常や非日常
- How(どうやってそれを研究するの?) – フィールドワーク
つまり、文化人類学は世界中の人々の日常や非日常をフィールドワークを通じて学ぶ学問なのです!
以下の記事にWho, What, Howの詳細と文化人類学の身近な例を詳しく紹介しています!
具体的な文化人類学のテーマが知りたい方は以下の記事がおすすめです!
- 言葉ではイメージしづらい方へ↓
以下の動画がイメージしやすくおすすめです!(少し長めの動画です)
フィールドワークとは?
文化人類学の最大の特徴と言ってもいいのはフィールドワークを通じて文化を学ぶことです。
フィールドワークとは本やインターネットの情報(だけ)ではなく、実際に現地に訪れて、現地の人々と一緒に過ごしながら文化や人々の営みを研究する手法です。
言い換えると、文化や人々の営みを知りたかったら、現地に行って一緒に過ごすのが一番だよね!というのがフィールドワークの考え方です。
これについて具体例を紹介していた3分程の動画がありましたので紹介します!
以下の記事でフィールドワークの例と文化人類学に特化したレポートの書き方を紹介しています!
文化人類学と民俗学、社会学、民族学、社会人類学の違いは?
ここまで文化人類学の学ぶ内容や特徴について紹介してきましたが、例えば文化人類学と民俗学の違いや、文化人類学と社会学の違いなども気になりますよね。
どの学問が自分にとって向いているかも気になると思われます。
そこで、文化人類学と似たような学問をわかりやすく一覧にしました!
ポイントは、どの学問も「人」について研究していることです。
それぞれの指標の意味は次の通りになります。
- マクロ – 日本社会全体など、より広い視点から人について研究している
- ミクロ – カフェの場、コミュニティなどより狭い視点から人について研究している
- 自文化 – 自分が生まれ育った文化/社会について研究(日本出身なら日本について)
- 異文化 – 自分が生まれ育った文化/社会以外について研究(日本出身ならアメリカやアフリカについて)
これらを踏まえた上で各学問をまとめると次の通りになります。
- 社会学(マクロ×自文化) – より広い視点から自文化について研究する学問(例:日本社会)
- 民俗学(ミクロ×自文化) – より狭い視点から自分化について研究する学問(例:日本〇〇町の文化)
- 文化人類学・社会人類学・民族学(ミクロ×異文化) – より狭い視点から異文化について研究する学問(例:タンザニアのマサイ族の文化)
各ポイントの詳細はこちらの記事にあります!
文化人類学は面白い?その面白さとは?
ここまで文化人類学の概要について紹介してきましたが、結局のところ文化人類学って面白いのでしょうか?魅力があるのでしょうか?
文化人類学を学んでいる世界中の人々の声を集めて見たところ、以下の2点にまとめられることがわかりました!
- フィールドワークという手法
- フィールドワークを通じた発見
詳細はこちらの記事から確認できます!
個人的に私は文化人類学を学ぶことで人生を豊かにする術を知れることが最大の面白さだと感じています。
こちらの記事で詳しく書きましたが、現代は「どう生きるか?」人生を意味を自分で考える時代だといえます。
しかし、自分が納得のいく人生の意味を見つけることはそう簡単ではないですよね。
そこで、文化人類学を学ぶと世界中の人々の生き様を知ることができ、「こんな生き方もあるんだ?」と新しい発見が沢山あります。
新しい発見をすることで、自分なりに納得のいく人生の意味を見つけることができるのです(主観ですが文化人類学の研究者は人生楽しそうです♪)
- 私の経験談 – マサイの人から学んだ「今」を生きる大切さ↓
私は大学時代1ヶ月半程一人でタンザニアのマサイ村に滞在し、現地の人と一緒に遊んだりのんびりしたりしていました。
交流を通じて一つ感じたことがありました。それは、マサイの人は「今」を大切に生きているということです。当時、私の思考は「今」を大切に生きていませんでした。例えば、
・理想のキャリアを実現させるために、今何をするべきか考える→未来のために生きている
・暇なことが苦手で、常に何かしたくなる→今に目をそむけている
などです。一方でマサイの人は、「今」を大切に生きていると感じました。例えば日本と比べ全然忙しくない時も、充実しているように見受けられるのです。
この経験から「今」をワクワクする術をマサイの人たちから学ぶことができました。社会人になった今、本屋に行くと「20代は〇〇しよう!」等「こうあるべき論」が沢山ありますが「それは今をワクワク生きるために大切なことか?」という問いを立てることができ今でもマサイの人との交流は貴重な財産となっています。
文化人類学が向いている人は?
それではどのような人が文化人類学に向いているのでしょうか?
学部や大学院で学ぶ場合は以下の人が文化人類学を学ぶのに向いていると考えられます。
- 既存の価値観にとらわれず、新しい価値観に興味がある人
- 海外旅行/観光や異文化が好きな人
- 国際開発/協力やビジネスにおいて現場/現地の視点を活かしたい人
- 人とは何か探求したい人
- 人生を豊かにしたい人(先程紹介したので詳細は割愛)
既存の価値観にとらわれず、新しい価値観に興味がある人
突然ですが成長マインドセットという言葉をご存知でしょうか?
一般的に成長マインドセットがある人の方が人生が豊かになるといわれています(例えば以下の動画。英語ですが…)
文化人類学は新しい価値観を受け入れることに抵抗のない人が向いています。
そして抵抗のない人は成長マインドセットを大切にしている人が多い傾向があるのです!
海外旅行/観光や異文化が好きな人
海外に行くのが好きな方も文化人類学が向いています!
海外に行くと、「なぜ日本の文化と海外の文化は違うのだろう?もっと詳しく知りたい!」と現地の文化について興味が湧いてくると思われます。
その興味を心ゆくまで追求できるのが文化人類学です!
私も海外の文化が面白く、大学時代はノルウェーに1年、タンザニアに1ヶ月半長期滞在し、他にも合計40カ国以上海外をバックパッカーとして一人旅しました。
そこで現地の文化を心いくまで堪能し視野が広がったと感じています。
文化人類学好きが初めてバックパッカーに挑戦した体験談を以下の記事で紹介しています。興味のある方は御覧ください!
国際開発/協力やビジネスにおいて現場/現地の視点を活かしたい人
近年「途上国の人と支援したい!」「消費者のニーズに応じた価値を提供したい!」と考えるようになった人が増えてきています。
特に前者は海外ボランティアの増加により話題になってきていますよね。
一方で、「それって本当に現地/消費者のためになっているの?」と疑問に思うこともあるのではないでしょうか?
そのような疑問を開発人類学や経営人類学/ビジネス人類学では研究しています。
そのため、国際開発/協力やビジネスにおいて現場/現地の視点を活かしたい人は文化人類学を学ぶのに向いています!
人とは何か探求したい人
今も昔も共通していえることは、文化人類学は人とは何か探求したい人に向いていることです!
なぜなら文化人類学は人を探求する学問だからです。
大学院や博士課程まで進む人が特に関心があると思われます。
私は学部時代、「人々にとって非日常とは何か?」ターナーという学者のコミュニタスの概念を援用して探求していました(学部レベルなので探求レベルではないかもですが…)
例えば普段話さない人と飲み会や観光先等の非日常な場所に行くと急に話すようになる現象ありますよね。
あれって何で起きるのだろう?という興味があり探求していました。
文化人類学を学ぶメリットは?ビジネスに役に立つ?仕事や就職先は?
近年文化人類学を学ぶ人は増えてきました。YouTubeや有名な書籍が充実してきたのも背景にあると感じています。
しかし、「文化人類学を学んだ後はどうなるの?」という疑問が次第に浮かんでくるのではないでしょうか?
特に研究者にならない場合、文化人類学の活かし方のイメージがわかない人も多いと思われます。
(英語だとApplied Anthropology等情報が沢山あるのですが、日本語だと全然ないですよね…)
そこで、現時点で私が知っている情報を紹介します!
- 文化人類学を学ぶことで身につくこと
- 文化人類学で身につくことを就職・就活に活かしていく方法
- その他/文献紹介
文化人類学を学ぶことで身につくこと
文化人類学の就職先やビジネスの活かし方を紹介する前に、その前提となる文化人類学を学ぶことで身につくことを紹介していきます!
これを理解することで、後に紹介する例以外にも、自分なりに文化人類学を活かしたキャリアを形成できるヒントになるためです。
文化人類学を学ぶことで身につくことは主に以下となります。
【マインド】
- 素直さ – 相手の意見を素直に受け止める姿勢
- 尊重する姿勢 – 相手の意見を否定せず尊重する姿勢
- 好奇心・探求心 – 相手の考えや物事の本質に興味を持ち探求する姿勢
- 客観性・俯瞰力 – 多角的に物事を捉える姿勢
【スキル】
- コミュニケーション力 – 誰とでも信頼関係を築ける力
- リサーチ力 – ビジネス課題の全体像を観察やインタビューを通じて把握する力
- 分析・解釈力 – データを多角的に捉え、意味のある分析結果を導き出す力
各ポイントの詳細はこちらの記事にあります!
文化人類学で身についたことを就職・就活に活かしていく方法
ここまで、文化人類学を学ぶことで身につくことをマインドとスキルの観点から紹介してきました。
ここからは、それを就職・就活に活かしていく方法をポイントで紹介していきます。
【文化人類学を活かしたおすすめの職業】
- コーチング
- ジャーナリスト
- 観光/留学関連
- NGO
- マーケティングリサーチ
- 外資系企業や海外出張がある企業全般
【文化人類学を活かしたおすすめの職業】
- 人事職
- PM職(プロジェクトマネジメント)
- マーケティング職
各ポイントの詳細はこちらの記事にあります!
ちなみに、個人的におすすめなのはマーケティング関連の職業に就くことでです!
その理由は以下の3つです。
- 調査目的・調査手法・調査対象地域の一致からマーケティングと文化人類学の内容が似ている
- 文化人類学を活かして飯を食べていける
- 文化人類学とマーケティングの知識は他の分野で応用が効く
以下の記事にて各ポイントの詳細をまとめています!
その他/文献紹介
上記以外にもっと知りたい!という方向けにQ&A形式で情報を共有します。
- Q文化人類学を活かした就職活動の実体験が知りたい!
- A
- Q文化人類学を活かした学問は?
- A
学問については応用人類学関連がおすすめです。開発人類学、教育人類学、公共人類学などがあります。以下英語の本と日本語の文献です!
- Q応用人類学はどこで学べる?
- A
日本より海外の方が応用人類学に特化した大学院が多い気がします。例えばイギリスサセックス大学の開発人類学研究科やオランダアムステルダム大学の応用人類学研究科等が挙げられます。
注意する点は応用人類学といっても幅広いため、応用人類学の中でも何を学びたいか問題意識を明確にすることを推奨します。
- Q文化人類学の可能性について知れる動画はありますか?
- A
YouTubeに上がっていたものでおすすめできるのをいくつか紹介します!
文化人類学が学べる有名な/おすすめの大学は?
ここまでの内容を踏まえて「文化人類学を大学で学んでみたい!」となった方もいるのではないでしょうか?
ただし、注意が必要なことは「大学 文化人類学部」と調べてみると文化人類学部は現時点で存在しないことがわかります。(海外では結構あるのですが…)
そのため、文化人類学部以外の方法で学べる大学を探す必要があります。
おすすめは以下のポイントで自分に合った文化人類学の大学を見つけることです!
- 文化人類学の教員が多く在籍する有名な大学を選ぶ
- 文化人類学のゼミの内容が面白そうな大学を選ぶ
- 交換留学や正規留学で海外の文化人類学部に入る
- 科目履修生や通信で文化人類学を学ぶ(社会人や他の大学の授業受けてみたい方向け)
各ポイントの詳細はこちらの記事にあります!
文化人類学のおすすめの本は?
「もっと文化人類学のこと知りたいからおすすめの本を教えて!」
と思った方に事前知識なしでスラスラ読める本のみに厳選したものを紹介します!(一部文化人類学以外の本あり)
本の選定理由やおすすめポイントの詳細はこちらの記事にあります!
本だけではなく、興味のある論文の簡単な調べ方を知りたい方はこちらの記事がおすすめです!
最後に
文化人類学についてもっと知りたい!そんな方に向けて他にも文化人類学の記事を沢山書いておりますので是非一緒に見てください!!